控えめオスラと花のうさぎ~蒼天編1




――吹雪を越え、かの者たちはやってきた。

轟轟と寒風が吹き付け、身を屈めるは"英雄の子"、ミルラ。
 英雄ウイキョウ・ユキノシタはその頑強な背を壁に子を守り、歩を進める。

かつてエオルゼアの英雄と謳われた男は、悪意によって地に貶められていた。
剛毅で、慈悲深く、善良たれ。そうした志すら、人は利用し、踏みにじったのである。
それでも尚、数少ない仲間とともに、その角は前を向き、深雪を踏みしめて行く。

その不屈の心を、戦神がお認めになったのであろうか。――吹雪が弱まり、壮麗な都が全貌を現す。
こうして異邦人たる彼らはついに皇都イシュガルドへ足を踏み入れた。

白き角と鱗を有する『光の戦士』。
彼らの来訪が、千年の歴史を揺るがす変革の始まりになることを――この時、知るものはいなかった。


――エドモン・ド・フォルタン伯爵の回顧録
 『蒼天のイシュガルド』より