控えめオスラと花のうさぎ~新生編3
グ・ラハ・ティアの回想
「あれが、ウイキョウ・ユキノシタ……エオルゼアの英雄……!」
銀泪湖のほとりの高台で、オレはその様子を見つめていた。
今しがた、各国の盟主により第七星歴の幕開けが宣言され、エオルゼアの新たな時代が幕を開けた所だった。
賑わいの中心には、先日シャーレアンで不思議な絆を築いた少年、ミルラの姿があり、すぐ隣には大きな角、精悍な顔つきのアウラ族の男性が親し気に会話を交わしている。
恐らく、彼こそがミルラの探し人、ウイキョウなのだろう。大物になりそうな人物だとは思っていたけど、まさかエオルゼアを救済するほどの奴だったなんて!
2人はあの後、どこで出会い、どんな旅をしてきたんだろう?
どのような物語を経て、あれほどの人の輪を紡いできたんだろう?
なんなら、このまま崖下に降り立って、矢継ぎ早に質問してしまいたい位だったけれど、今は我慢、と唇を噛む。
――きっとあの英雄ならこの先すぐ会うことになる。
そう、確信していたから。